sabbay サバーイ

Live extraordinary but ordinary days

Book review: 龍の耳を君に

丸山正樹著。この著者は、初めてよんだように思います。手話通訳士の主人公が、事件に巻き込まれたろう者をサポートしたり話せなくなった少年に手話を教えたりする中で自分の人生や手話通訳士としてのあり方を見つめ直すヒューマンドラマです。

この本の価値は、聾者の現状や彼らの言語(日本手話と日本語手話)からみえる課題をあぶり出しながら、決して悲観的にならずに読み進められるところにあり、なかなか面白いです。本の中である聾者が「聾という字は龍の耳と書くんだよ。龍はツノで音を感じるから耳が退化したんだ。だから僕らは龍の耳を持つんだ」と言っているのが私の心にも響きました。以前障害女性の団体のサポートをした時にも思った「もっと皆が知るべきだ」という思いを持ちました。前後作があるので、読んでみよう。

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http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488422219

#bookreview#龍の耳を君に#社会のことを知らなさすぎる私たち#舞台の埼玉県が現実に起きた事件と重なって一瞬境目が曖昧になる